有線通信で使用するLANケーブル(UTPケーブル)をテレビ用のケーブル(同軸ケーブル)に変換する同軸モデムという機器があります。
これを使うことで、テレビの設備を使ってインターネットを行うことが可能になります。
詳しくはこちらの記事をチェック!
同軸ケーブルは伝送可能な容量が大きいので、安定した通信を行うことが可能。
妨害電波の影響を受けやすい無線通信よりも安心して使用できるので、繊細なコントロールが必要なゲーマーなどにも人気です。
そういった特性は、一般家庭での通信というよりも、むしろ公共的な通信においてより効果を発揮するんじゃないでしょうか。
例えば、通信を利用した防犯カメラのような。。。
今回はこの同軸モデムを応用して、既存のアナログカメラを新品のIPカメラに交換するという話です。
PoE給電対応品を使用
昔の防犯カメラはアナログ仕様となっており、映像の伝送にはテレビで使うような同軸ケーブルを使用しています。
対して、通信を使って映像を送るIPカメラはUTPケーブル(LANケーブル)を使用しますので、アナログカメラとはケーブルの種類が異なります。
アナログのカメラからIPカメラに取り換える場合、本来はケーブルの張替えが必要となるところですが、UTPケーブルを同軸ケーブルに変換できる同軸モデムがあればここは解決。
既存の同軸ケーブルをそのまま利用して、IPカメラへの交換が可能になります。
ただし、一つ問題となるのがカメラへの電源供給です。
アナログカメラは、カメラ本体の電源を同軸伝いに送ってあげる方式が一般的だったため、カメラ設置部には100Vの電源が無いケースがほとんどでしょう。
同軸ケーブルをそのまま利用するだけじゃなく、同時に電源供給(PoE給電)ができる同軸モデムが必要となるんです。
対応品が発売されているため、こちらを使用するようにしましょう。
給電すると伝送距離は縮まる
UTPケーブルのデータ伝送距離は約100mで、同軸ケーブルにすることで最長2kmまで伝送が可能になることは同軸モデムの詳細記事でも記載していますが、PoE給電が絡んでくると話は変わります。
PoE給電はデータだけではなく電源も一緒に送ることになるため、伝送距離は最長でも500mにまで縮まってしまいます。
ただし、同軸モデムOUTで改めてUTPケーブルに変換した後は、更に100mの延長が可能となりますので、実質は600mと考えて良いでしょう。
500mだとしてもUTPケーブルの約5倍の伝送距離ですから、比べると十分長いと言えますよね。
もちろんカメラ設置場所に電源さえあればデータのみの伝送になりますので、最長2kmまで伸ばすことが可能となります。
まとめ
同軸ケーブルに変換させることで、既存ケーブルを利用してIPカメラへとリプレイス出来るのは非常に魅力的です。
ケーブルの張替えや電源工事などを考えれば、内容によってはかなりのコストダウンになることでしょう。
従前のPoEの上位互換であるPoEPlusにも対応しているので、高度なカメラを設置したい場合でも使用が可能です。
ホテルや工場、大型施設の防犯カメラを改修する際には、同軸モデムを利用したリプレイスを考えてみてはいかがでしょうか。