世の中には様々な線(ケーブル)があります。
一番よく聞くのは電気の線、いわゆる電線ですね。
電線には色々な種類があって、外で電柱伝いに繋がっている電線や一般家庭内で使われる電線、高電圧の電気を通す太い電線など様々です。
何を乗せて運ぶのか、またその大きさなどによって色々と変わってくるんですが、テレビの電波を乗せて運ぶケーブルというものが存在します。
それを同軸ケーブルといいます。
この同軸ケーブルも電線のように用途によっていろんな種類に分かれていくんですね。
皆さんが住んでいる家のケーブルは何を使ってるんでしょうか。
S-5C-FBが主流
ここ20年ほど主役の座を守り続けているのが、S-5C-FBというケーブルです。
新しく建てる一般戸建てやビル、マンションなどの、屋内の配線はほとんどこの同軸ケーブルを使っていると思います。
S-5C-FBの「S」はsatelliteのS、つまり衛星放送対応を表します。
「5C」は同軸ケーブルの太さを表す数字で、屋内配線での基本といっていいサイズ。
屋外などで使う場合はちょっと太めのケーブルは7Cだったり、宅内のテレビ周辺で使用されるケーブルなどは、細めの3Cのケーブルを使用したりします。
中の構造にもよりますが、一般的にケーブルが太ければ太いほど、テレビ電波の落ち方が少なくなり、外部からの異常電波の影響も受けづらくなります。
じゃあ全部太くすればいいじゃないかと思うかもしれませんが、太ければ重くなりますし曲げたり加工したりするもの難しくなりますよね。
ですから外部の影響を受けづらい屋内配線は、工事をしやすいように若干細めのケーブルを使用してるんですね。
コスト面の問題もありますけど。
屋外は光ファイバー
宅内で使用するケーブルはS-5C-FBが主流となりますが、屋外で使用する場合は別の種類のケーブルが主役の座を奪っています。
世の中にはアマチュア無線やタクシー無線、航空レーダーやWi-Fiの電波など、テレビ以外にも様々な電波が飛んでおり、屋外ではそれら異常電波の影響を受けやすい傾向があります。
また、雨ざらしであることや直射日光の影響も受けますので、腐食しづらい対候性が重要となるんですね。
アンテナから宅内に入るまでのちょっとした距離であればS-5C-FBがそのまま使用されるケースが多いですが、共同アンテナを使用して母屋と離れを繋ぐケーブルなど、距離が長くなる場合はS-7C-FBなどの径が太いケーブルが活躍します。
また、電柱伝いに各家屋にテレビ電波を届けるケーブルテレビや光テレビなどの長距離伝送の場合は、同軸ケーブルではなく光ファイバーを使用するのが主流になってますね。
光ファイバーは、同軸ケーブルと比べて運ぶことのできる容量が圧倒的に多く、伝送によるレベルの低下が非常に少ないため、ケーブルテレビの多くがこの光ファイバーに切り替わっています。
施工が難しかったり価格が高いなどの問題はありますが、高精細でデータ量の多い4K8K衛星放送もスタートしましたし、屋外配線は完全に光ファイバーが主役になりましたね。
古いケーブルは衛星放送に対応できない
それこそ25年以上前の建物になってくると、S-5C-FBではなく、5C-FVや5C-2Vといった同軸ケーブルが使われているケースが増えてきます。
これらのケーブルは、「S」が付いていないことからもわかるとおり、衛星放送に対応しておりません。
全く通らないと言う訳ではなく、BSデジタル放送やスカパー!などのCSデジタル放送といった衛星放送を流すと、レベルの落ち方が激しいという意味です。
アンテナケーブルを張り替えるのは非常に大変な作業で、費用もそれなりにかかってしまうため、無理やり既存のケーブルを使用してBS放送を視聴している家屋もかなり多いんではないでしょうか。
ただし、4K8K衛星放送は更に高い周波数を使うため、さすがに5C-2Vなどのケーブルの使用は難しいでしょうね。
4K8K衛星放送はケーブルだけじゃなく様々なアンテナ機器を対応品に交換しなければなりません。
4K8K衛星放送を観るためには一体何を交換しなければならないのか、詳細を知りたい方は別途記事を投稿してますので、そちらをご覧ください。
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接続は接栓を使用するのがベスト
同軸ケーブルの接続は、基本的にはF型接栓というものを使用します。
この接栓は、同軸ケーブルの太さによってかわってきますので、5Cには5C用を、3Cには3C用の接栓を使う必要があります。
ご自分で繋いだりするテレビの後ろの接続などは、コンセントプラグというちょっと簡易的なものを使用しますが、工事業者以外触らないような部分はほとんどこの接栓で接続ですね。
接栓の方がコンセントプラグよりも電波の流出や流入が起こりにくいため、最近ではテレビの裏の配線も接栓を使うケースが増えてきました。
もしご自分で接栓を使いたい場合は、別途施工方法をまとめた記事もありますので、宜しければチェックしてみてくださいね。
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