テレビの配線方法 送り配線とスター配線の違い

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皆さんはテレビがどのような設備なのかご存じでしょうか。

屋外にアンテナがあって、それでテレビを受信しているのは分かりますよね。

そのあと、テレビの電波は同軸ケーブルという線に乗って屋内の各部屋へと運ばれます。

ほとんどが壁の中を通って配線されますので見えないようになってるんですよね。

今回はこの同軸ケーブルの配線についてのお話。

テレビの屋内配線には、「送り配線」と「スター配線」の2種類があります。

最近ではスター配線が主流となっていますが、少し前までは送り配線を使う建物が数多く見られました。

それぞれメリット、デメリットがありますので、簡単に特徴を説明していきます。

送り配線はコストが安い

送り配線の最も大きなメリットは、配線にかかるコストが低いということでしょう。

図のような配線でいくと、途中に機器を接続はしますが基本的に配線は1本でいいため、工事にかかる手間は少なくて済みます。

しかしそれ相応のデメリットもあります。

テレビ電波のレベルが落ちやすいんです。

途中で接続する中間用のテレビコンセントはレベルの落ち方が非常に激しく、配線の先に行けば行くほどレベルが低下していきます。

中間用テレビコンセントからテレビに接続する場合、地上デジタル放送で約12dB、CS放送に至っては約15dBものレベルが落ちる計算です。

もともとの受信レベルが高い場合や、高性能のブースターを使用するなど、レベル低下を計算して問題がないか確認のうえ、施工するべきでしょう。

テレビコンセントにも色々な種類がありますので、興味がある方は別途記事をご覧ください。

↓こちらです↓

テレビのコンセント(直列ユニット)にもいろいろな種類があります。中継用とか端末用とか。それぞれの特色を知っていると、テレビのトラブル時に対応がしやすいですよ。テレビの配線方法を知っているとより分かりやすいと思います。集合住宅は2端子型を使用するケースが多いですね。

スター配線はレベル低下が少ない

スター配線は、図のようにテレビを観たい箇所全てに配線を1本ずつ持っていく配線方法です。

一本の線を分配器を使って複数に分けてあげた後、それぞれのテレビコンセントに配線を持っていきます。

したがって、4箇所であれば4本の配線が必要となり、送り配線と比べて工事のコストは高くなってしまいます

しかし、分配器で分ける際にレベルは落ちるものの、中間用のテレビコンセントと比べれば落ち方が少なく、4分配器で地上デジタル放送が8dB程度、CS放送でも11dBくらいです。

送り配線と比べると、テレビ電波のレベルの落ち方が少ないんですね。

加えて、分配器の場合は各箇所に均等に電波を配分しますので、レベルも均等に揃います

1箇所だけ映りが悪いなどの症状が出ることが少なく、メンテナンス上も対応が非常に楽になるんです。

最近の建物はスター配線が多い

テレビの電波は、使用する周波数が高ければ高いほどレベルは落ちやすくなります

近年は高い周波数のBSデジタル放送CSデジタル放送の視聴が多くなってきており、以前よりレベルの確保が大切になってきました。

そういった点から、多少手間がかかっても、安定したレベルで伝送できるスター配線が増えてきたんですね。

また、テレビを観る箇所が増えたことも要因の一つです。

昔は、テレビを観るのは1Fと2Fに一箇所ずつなんて家がゴロゴロありましたが、今では子供部屋や寝室、キッチンなどにもコンセントが付いています。

テレビコンセントが増えれば増えるほどテレビのレベルは落ちていきますので、より落ちづらいスター配線が好まれるんですね。

ただし、今でも送り配線を使った建物が建てられてはいますし、一昔前までは送り配線が主流でしたので、改修などの工事の際には注意が必要です。

特に2018年12月からスタートした4K8K衛星放送は、今までの衛星放送よりももっと高い周波数で飛んできますので、レベルの低下には十分に気をつけましょう。

まとめ

4K8K衛星放送の使用周波数は最高で3224MHzとなり、レベルの落ち方もこれまでとは比にならないほどです。

新築一戸建てのテレビ設備工事の際には、スター配線が必要不可欠になりそうです。

送り配線方式は徐々になくなっていくんでしょうね。

ただ、若者のテレビ離れも顕著です。

YouTubeの普及を引き金に、Netflix(ネットフリックス)やHulu(フールー)といった動画配信サービスなどに人気が集まり、テレビをあまり観なくなってきたんですね。

これらの映像はテレビのようにアンテナで受信するんではなく、通信を使っての受信となりますので、今どきは無線を使って配線すら減ってきてますよね。

将来的にはテレビを観る箇所が逆に減ってきて、送り配線が復活するなんてことも考えられるかもしれません。

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コメント

  1. 高橋 駿 より:

    お世話になります。
    UHFとBS放送を別々のケーブルにて接続し放送を楽しんでいましたが、今回屋内ケーブルをUHF/BS共通にして配線を致しましたが一か所BS放送を付けてあと3か所は正常に
    映りますが、一か所をOFFにすると3か所は全く映りません。
    これはどうゆうことでしょうか?教えてください。

    • HAGURUMA より:

      管理人のHAGURUMAです。
      コメント拝見いたしました。
      全端子電流通過型の分配器って必要? 1端子型では困ってしまうケースとは
      上記投稿を見ていただくとわかり易いと思います。
      恐らくはBSアンテナかブースターを動かすための電源が、分配器で停まってしまっているのだと思います。
      電流通過端子の先にあるテレビを常にONにしておくか、もしくは分配器を全端子電流通過型に変えて、常にどのテレビからも電源を上に送るようセッティングしてみてください。