一般の方にはあまり馴染みのない言葉かもしれませんが、写真にある接続用金具のことを接栓やコネクターと呼びます。
アンテナ機器の接続に使われる接栓は「F型」と呼ばれるもの。
ですから、F型接栓やF型コネクターなんて言い方をします。
最近ではでテレビへの接続も接栓を使用しているケースが多いので、もの自体は見たことがある方も多いかもしれません。
テレビ設備の工事において、機器への接続は接栓での接続が基本となっています。
施工業者は慣れたものだと思いますが、一般の方は接栓の取付方法ってなかなか知らないですよね。
既に接栓が加工されたケーブルなんかも売ってはいますが、やってみると割と簡単に加工できますので、DIYでやってみるのもいいかと思います。
今回は、そんなF型接栓(コネクター)の同軸ケーブルへの取り付け方法について説明していきます。
用意する物
- 同軸ケーブル(アンテナケーブル)
- F型接栓(コネクター)
- リング
- カッター、ハサミ、ペンチ等の工具
取り付けたい同軸ケーブルとF型接栓本体、リングは接栓に付属されてると思いますので、なくさないようにしましょう。
同軸ケーブルを剥いたりするのに使用するカッターと、いらない部分を切り取るハサミ、最後に圧着するペンチがあればOK。
一般的によく使われる同軸ケーブルは5Cというサイズです。
5Cには5C用のF型接栓を用意します。
4Cには4C用のF型接栓が必要になりますので注意してください。
ケーブルのサイズに合わせた接栓がいるということです。
接栓の取付方法
①ケーブルの被覆を剥がす
被覆(外の皮部分)をカッターで切って剥がします。
一周ぐるっと切り込みを入れて、最後に縦に1本切ると剥がしやすいです。
剥いたらこんな感じ。
力を入れ過ぎると中の編組まで一緒に切ってしまうので、慣れるまでは力は軽めがいいでしょう。
被覆部分は柔らかいので、そんなに力はいらないです。
②編組を折り曲げる
編組と呼ばれるアミアミの部分を反対側に折り曲げておきます。
接触不良を起こす可能性があるので、1本も残さず全部折り曲げましょう。
③アルミを剥がす
根元部分に切り込みを入れてアルミを剥がします。
銀色のアルミ部分は非常に薄いので、軽くカッターで切り込みを入れるだけで簡単に剥がれます。
④発泡ポリエチレンを取り除く
白い部分(発砲ポリエチレン)を取り除きます。
割とぶ厚いですが、ここも素材が柔らかいので軽く押すだけで切れていきます。
中央まで刃が入ったら、くるっと一周させて白い部分だけスポッと抜く感じ。
力を入れすぎて芯線(真ん中の銅線)を切ってしまわないように注意しましょう。
取り除くと上記のようになります。
⑤リングを入れる
先にリングを入れておきます。
本体を先に入れちゃうと、後からリングは入れられないので。
一番最初に入れておいてもいいんですけどね。
⑥接栓本体を押し込む
接栓本体を先の方からグッと押し込みます。
アルミと編組の間に入るようにしましょう。
アルミがめくれると押し込むのが難しくなるのでちょっと慎重に。
ケーブルによっては結構固いので、場合によってペンチなんかを使ったほうがいいかも。
⑦編組を切る
アミアミ部分(編組)を切りとります。
ハサミやニッパーなんかで切っちゃってください。
そんなにキレイに切る必要はないので、リングで隠れる程度にザックリと切っちゃいましょう。
⑧リングをかしめて芯線を切る
リングを接栓本体にくっつけるようにして、リングの爪部分をペンチを使ってしめます。
たまに爪部分がついてない、まん丸のリングもあります。
ちょっと挟みづらいですが、滑ってケガをしないように慎重に締めてください。
最後に芯線を切って出来上がり。
芯線は本体からちょっとだけ出るくらいが丁度いいでしょう。
まとめ
難しいようでいて、やってみると簡単にできます。
初めての方でも15分程度でできちゃうんじゃないでしょうか?
根元のケーブルの加工が難しいとか面倒くさいという方は、専用の加工工具もでています。
これ一つ持っていると作業も楽にできますね。
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昔は接栓を使わず、アンテナケーブルの芯線を剥き出しにして、そのままビスで止めるような接続が多かったですが、明らかにこちらの方がしっかりとした接続になり、電波の入り込みや漏洩も防げます。
特に最近は4K8K衛星放送など、高い周波数のテレビ電波が多くなってきており、異常電波などの影響も受けやすくなってきています。
できるだけ接栓を使った接続が望ましいですね。
上記の説明でも加工が難しかったり面倒だったりする場合は、もっと接続が簡単な特殊な接栓が発売されています。
それらの接栓を特集した記事を書いてますので、気になる方はチェックしてみてください。
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この機会に、ビス止めの製品をお使いの方は、接栓に変えてみてはいかがですか?