テレビ放送設備で使用される分配器と分岐器。
みなさんはこの2つの違いを正確に知ってますでしょうか。
見た目はほぼ同じですし、テレビの電波を分けるという役割も同じなんですよね。
ただ、それぞれの特色を理解しないまま適当に使用してしまうと、場合によってはテレビが映らなくなったりすることも。。。
今回は、この分配器と分岐器の違いについて簡単に説明していきます。
電波レベルの落ち方が違う
両者の最大の違いは、テレビ電波のレベルの落ち方が違うという点です。
こちらは2分配器と1分岐器を表した図です。
1つの信号を均等に2つに分けるのが2分配器。
1つの信号から枝分かれを1つ作ってあげるのが1分岐器です。
いずれも出口は2つですが、分岐器の方は枝分かれ(BL)が1つでOUTが1つとなります。
2分配器の方は均等にレベルが落ちますので、例えば地上デジタル放送ならば、2つのOUTどちらも4dB程度のレベル低下となります。
対して1分岐器の方は、BL側は大きくレベルが落ちますが、OUT側はほとんどレベルが低下しません。
枝分かれのBLと、そのままスルーして出ていくOUTで大きくレベル差が発生するのが分岐器なんですね。
分岐器は大型の建物で活躍
均等にレベルが落ちる分配器は非常に使いやすく、ほとんどの建物において、各部屋に分配する役割として利用されています。
対して分岐器は、一般住宅ではほぼ使用されません。
ビルやマンションといった大型の建物で、長い距離を同軸ケーブルで伝送する場合に、そのメインケーブルのレベルをなるべく落とさずに使いたい時に使用されます。
一般住宅のようにテレビコンセントの箇所が少ない場合はあまり影響ないですが、建物が大きくなり分配数が多くなると、僅かなレベル差が重要になってきます。
そんな時に分岐器を使用してレベルを調整してやるんですね。
もっと大規模な設備で例えるならケーブルテレビ。
ケーブルテレビは、ケーブルテレビ局から電柱伝いに加入家屋へとテレビ電波を供給していきます。
非常に長い距離を伝送するため、遠くになればなるほどテレビの電波レベルは落ちてしまいます。
そのレベルを極力落とさないように、各戸に電波を分ける際は分配器ではなく分岐器を使用するのがスタンダードなんですね。
まとめ
分配器は2分配から7を飛ばして8分配器までの6種類、分岐器は1分岐と2分岐、4分岐器と3種類のラインナップがあります。
見た目はほぼ同じですが、安易に分岐器を使用するとBL側の大幅なレベル低下で痛い目を見るかも。
上述したように一般家庭ではほぼ使用する必要性がないので、特別な理由がない限りは分配器を使用しておけば問題はないでしょう。
分岐器を使用する場合は、しっかりとしたレベル計算の上で有効に使用してください。
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