アンテナの電波を壁の中から室内に出してあげる役割のテレビコンセント。
TOPのイラストのように、電源のコンセントやLAN端子、電話端子なんかと一緒になってることも多いですね。
このようなものをマルチメディアコンセントと言ったりします。
ちなみにアンテナ業界では、テレビコンセントのことを直列ユニットという言い方をします。
メーカーの方や実際の工事に携わっておられる方々は、むしろこの呼び方の方がピンと来るかもしれません。
今回は、このテレビコンセント(直列ユニット)のお話。
テレビコンセントにもいろいろな種類があるんですね。
テレビ端子(テレビターミナル)
一番最初にお話しするのはテレビ端子というもの。
今、最も使用されているタイプのテレビコンセントだと思います。
テレビターミナルなんて言い方もしますね。
設計のマークで表記すると、このようなマーク。
基本的にはスター配線で分配されたケーブルの先に使用するテレビコンセントで、電波をそのままストレートに壁から出してあげます。
テレビの配線方法がわからない方は別途詳しく説明していますので、こちらをチェックしてから見ていただくとわかりやすいと思います。
↓こちらです↓
テレビ電波のレベルがほとんど落ちないのが特徴です。
中継用ユニット
次に紹介するのが中継用ユニットと呼ばれるもの。
中間ユニットや送りユニットとも呼ばれます。
スター配線ではなく、送り配線時に使用する中継用のテレビコンセントです。
現在のテレビ設備の配線方法はスター配線が主流ですので、送り配線用の中継用ユニットはあまり使われなくなってきました。
新築ではあまり見かけなくなってきましたが、建物が古くなればなるほど使用されている確率が上がってきますね。
テレビの電波をストレートに部屋の中に出すのではなく、その場所に電波を出すと同時に、次にも繋げていくタイプのテレビコンセントです。
テレビの電波を下に送る時にはレベルがほとんど落ちませんが、中継用ユニットを使って壁から電波を取り出す際は、かなり大きくレベルが低下します。
送り配線は施工が楽ですが、テレビ電波のレベル維持が難しいですね。
端末ユニット
送り配線時に、中継用ユニットを経由して最後に取り付けるテレビコンセントです。
1本のケーブルにおける最後のコンセント、端末ユニットですね。
記号で書くと、このように右下にアルファベットのRの文字が付きます。
よく抵抗付きのテレビユニットなんて言い方をしますが、このRは電気抵抗(resistance)のRだと思います。
使い方はテレビ端子とほぼ同じですが、電波の逆流を防ぐ抵抗が付いていることでレベルが落ちます。
地上デジタル放送で10㏈程度でしょうか。
送り配線の場合、1本のケーブルにテレビコンセントが複数接続されているため、何らかの影響で異常電波が逆流した際に複数のテレビに影響を与えかねません。
もしテレビ側から異常電波が発生しても、この端末ユニットで抵抗を付けて抑えつけようということですね。
結構大きくレベルが落ちますので、送り配線時以外では端末ユニットではなくテレビ端子の使用をおススメします。
2端子型ユニット
テレビコンセントの種類は大きく分けて上記の3種類です。
これに加えて、取り出し口が2つ付いている2端子型ユニットというものがあります。
単純に電波を2つに分ける2分配器が内蔵されているようなテレビコンセントで、レベルの落ち方も2分配器とほぼ同じです。
テレビに繋ぐ際に、地上デジタル放送と衛星放送を分ける分波器(BSセパレーター)を使用しなくてもいいので、接続が楽になります。
テレビとレコーダーを別々に繋いだりすることも可能ですね。
この2端子型ユニットも、それぞれテレビ端子や中継用ユニット、端末ユニットが存在します。
もともとレベルの落ち方が激しい中継用や端末ユニットは、2端子型になることで更にレベルが減少するので注意が必要です。
2端子型を使用するんであれば、なるべくスター配線にしてテレビ端子を使用するべきでしょうね。
まとめ
細かく言うとまだ幾つも種類がありますが、だいたい基本として使用されているものはこのくらいです。
配線方法によってそれぞれ使い方が違うのと、テレビ電波のレベルの落ち方大きく異なるので、この程度の知識は知っておくと便利です。
上にも書きましたが、新築はスター配線が多いのでテレビ端子(テレビターミナル)の使用が多いですが、古い家屋は送り配線が主流でしたので中継用ユニットが使用されているケースが多いです。
マンションなどの集合住宅や公共施設などは、2端子型のテレビユニットを良く使用していますね。
特に工事に携わる方は、頭に入れておくと応用が利きますよ。