建築の図面には色々な記号(シンボルマーク)があります。
テレビ設備の図面においても同様に、機器によって様々なシンボルマークが使われているんです。
アンテナの工事にかかわる方はもちろんのこと、一般の方でも新築住宅を建てたりすると建築図面にテレビ設備が載っていたりしますので、知っていて損はないでしょう。
今回は、そんなテレビ機器の図面におけるシンボルマークを紹介していきます。
テレビ設備機器のシンボルマーク
UHFアンテナ
こちらがUHFアンテナです。
最近では平面アンテナなども増えてきたので、表記の仕方にバリエーションが出てきていますが、UHFアンテナの基本記号はこちらになります。
実際の機器はこんな感じ。
ごくごく一般的な、よく屋根に付いているアンテナですね。
14素子と20素子という概ね2種類のグレードがあり、図面にも14EL(エレメント)や20ELという記載がされている時もあります。
ちなみにEL(エレメント)とは素子のことを指します。
衛星アンテナ
衛星放送用のパラボラアンテナです。
BSアンテナもCSアンテナもこちらの表記になります。
実際の機器はこちら。
わかりやすくするために、「BS」や「CS」などと記載されるケースも多いです。
サイズが記載されている場合も多く、一般家庭用の場合は450Φ(パイ)、ビルやマンションなどの場合は600Φや750Φなどの大型が使われますね。
ちなみにΦ(パイ)とは直径のことで、1Φ=1mm。
すなわち、450Φは直径45cmということになります。
混合器
こちらは複数のテレビ電波を混ぜ合わせる混合器というです。
もっとも多く使われているのは、地上デジタル放送のUHFとBS・CS110°放送を混ぜ合わせる場合でしょうか。
2本の線を1本に纏めている図になります。
実際の製品はこちら。
写真は屋外用の物。
屋内用もありますが、図面の表記はどちらでも同じです。
上下を逆に表記すると分波器になりますが、あまりテレビ設備図面では分波器を使用しませんね。
ブースター
テレビのレベルを上げるブースター。
日本語では増幅器という言い方をします。
一般家庭用でよく使用されるものはこのような機器です。
ブースター本体と電源部に分かれており、本体は屋外に、電源部は屋内に設置するのが基本です。
設置する場所は屋外がベストなんですが、屋外には電源がないので屋内からケーブル伝いに送ってあげるんですね。
ブースターは基本的に三角で表わされます。
UHF/BS 〇〇dB型など、グレードが表記してあるとよりわかり易いですね。
分岐器
テレビの電波を分けてあげる機器です。
線の下に丸がきて、横に枝分かれしていくのが分岐器になります。
上記図面では枝分かれが1つですので、1分岐器ということになります。
写真は屋内型のもの。
ビルやマンションなどで良く使用されるもので、一般家庭用ではそれほど使用されてません。
分配器
こちらもテレビ電波を分けるもので、分岐器よりも圧倒的に良く使われます。
電波を均等に分けてあげるのが分配器です。
こちらのシンボルマークは2つに分かれているため、2分配器になりますね。
写真は4つに分ける4分配器を添付してみました。
見た目は分岐器とほぼ同じですね。
こちらはビル・マンション限らず一般家庭でも幅広く使われています。
テレビユニット
二重丸の表記はテレビコンセントを指します。
テレビコンセントのことを業界ではテレビユニットと呼ぶんです。
リビングだけじゃなくて、寝室や子供部屋でもテレビが観たいという要望が多いので、一般家庭でも3か所~6か所くらいは図面に表記されてるんじゃないでしょうか。
テレビコンセントには色々と種類がありますので、詳しい表記はこちらの記事をご覧ください。
↓こちらです↓
まとめ
基本的なテレビ設備機器のシンボルマークはこちらになります。
概ねこの程度覚えていれば、図面を見たときにどのような設備になっているかが良くわかるでしょう。
これ以外にも特殊な設備のマークはありますが、めったに使用しないため特に必要ないと思います。
あくまでシンボルマークは基本記号であって、設計をされる方によって若干変更が加えられたりしますので注意が必要です。
BSアンテナのサイズやブースターのグレード、4K8K対応の指示など、言葉での追記も入ってくるケースが多いので、見逃さないようにしましょう。