テレビの電波を増幅する機械であるブースター。
今の時代、テレビの設備には欠かせない機器になっていますよね。
テレビを観る箇所が少ない一般家庭でも、新築時にはブースター設置が標準になってきました。
ただ、その性能についてはあまり理解されてない方が多いんじゃないでしょうか。
実際に作業をする電気工事店の方でも、ブースターと聞くと「利得」は思い浮かぶんですが、「定格出力」や「標準入力」という言葉はあまり馴染みがないようです。
実際にどのくらいレベルを増幅するかの「利得」も勿論大事なんですが、実はこの二つの値を知ると、ブースターの調整が随分し易くなるんです。
定格出力に合わせた調整が必要
それぞれのブースターにある「定格出力」という値。
これは、“ブースターの出力可能な最大レベル”を指しており、言ってみればそのブースターの性能の限界値みたいなもの。
この数値が高ければ高いほど性能が上といえますね。
そういう意味では、レベルを増幅する値である「利得」よりも、むしろ重要な値かもしれません。
この数値を上回って出力をしてしまった場合、ブースターの許容範囲を超えてしまうため、逆に映像が悪くなってしまう可能性があるんです。
例えば、利得が30dB型のブースターで定格出力100dBのブースターがあったとします。
テレビの電波が75dBで入力された場合、単純に30dBを足すと出力が105dBになりますよね。
このブースターの定格出力は100dBですから、5dB許容を超えてしまうため、映像に悪影響を及ぼす可能性が出てくるんです。
その場合は、利得の調整などで出力が100dB以下になるようにしましょう。
標準入力は低くても高くてもダメ
出力の最大値である「定格出力」に対し、入力レベルの目安となる「標準入力」という値もあります。
メーカーによって表記の仕方が一定ではないため、「適正入力」などという言い方もします。
「記載された範囲のレベルでブースターに入れてください」っていう意味ですね。
ブースターというのは、テレビのレベルを強くするものであって、画像の質を良くする機械ではありません。
ブースターに入る前の段階で映像が劣化している場合は、劣化した状態のままレベルを上げることになるため、レベル自体は高くなっても画像の改善は図れません。
また、レベルが高すぎる場合も、定格出力同様にブースターの許容範囲を超えてしまうため、画像を逆に悪くしてしまいます。
「標準入力」は“○○dB~○○dB”という表記となるため、低すぎても高すぎてもいけません。
ブースターによって変わりますが、おおよそで言うと45dB~80dBくらいでしょうか。
指定されたレベルを守って入力しましょう。
まとめ
「定格出力」と「標準入力」。
この二つの値を守るようにブースターを調整することが、テレビ電波を良好に保つコツです。
ただ単に設置するだけで問題なく受信できちゃう場合も多々ありますが、レベルを正確に測りながら調整してあげるのがベストですね。
別の項でブースターの細かい調整の仕方を説明していますので、よろしければそちらもご覧ください。
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ただ、ブースターを調整するにしてもテレビ電波の測定ができなければ話になりません。
ボックス型の非常に高価な電界強度計もありますが、レベルを図る程度であれば片手で持てるレベルチェッカーの方が手軽で楽です。
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