ラインブースターという機器をご存知でしょうか?
前置ブースターやプリアンプなんていう言い方もしますね。
「前置」ですから、メインの前に置くブースター。
プリアンプの「プリ」も「pre」という英語で、「前に」という意味があります。
一般的なブースターと比べてレベルの増幅量(利得)は少ないものの、使用の仕方によっては非常に役に立つ機器てす。
地上デジタル放送の受信難地域(弱電界地域)でよく使われるこのラインブースター。
その役割と使用方法について説明していきます。
アンテナでの受信が厳しい場合
ブースターですのでテレビの電波を上げてあげる機器なんですが、メインとして使用するのではなく、補う役割として使用するケースがほとんどです。
一般的なブースターの利得が35dBだとして、ラインブースターの利得はせいぜい20dB程度。
地域的な障害などでアンテナでの受信レベルが低い場合、メインのブースターに入るまでに画像が劣化しないように、ラインブースターを使ってレベルを補ってあげるんです。
ブースターはテレビ電波のレベルを上げてくれますが、画質まで良くしてくれるわけではありません。
すなわち、レベルが下がり過ぎて画像が劣化してしまうと、ブースターを使っても悪い画像のままレベルが上がるということ。
画像が劣化する前に、いかにレベルを補ってあげるかが重要なんですね。
様々なアンテナ機器に接続することで発生するノイズの数値を雑音指数といいます。
ラインブースターは総じてこの雑音指数がかなり抑えられた機器となっており、極力画像を劣化させずにレベルを上昇させることができます。
アンテナの直下で使用することで、ケーブルを伝ってレベルが落ちるのを防ぐんですね。
電源はメインブースターから
ラインブースターも機械ですから電源が要ります。
アンテナの直下で使用することが多いですから、外に設置するケースがほとんどですよね。
外に電源はないでしょうから、屋内から電源を送ってあげる必要があります。
別途電源部を用意して送ってあげてもいいですが、基本的にはメインブースターの電源部で同時に作動させる方法が多いと思います。
最近のブースターは、前置ブースター用にUHFアンテナ側への電源供給スイッチが付いています。
このスイッチをONにすることで、ラインブースター側に電流が流れて動作するんです。
別途メインブースターを設置することを前提とした使い方なんですね。
一般家庭用のメインブースターはこのようなタイプ。
ブースターの本体(左側)のフタを開けてあげると、UHF側への電源送電のスイッチが付いています。
ちなみに右側が電源部で、これを使ってメインとラインブースターを動かす仕組みですね。
逆に古いブースターだと、UHFアンテナ側への電源供給スイッチが付いていない物も多くあります。
その場合、別に電源部が必要となってしまい、コスト的にもメリットが薄くなってしまいますね。
ラインブースターの形状
ラインブースターにも幾つか種類があって形状も多少違ってきますが、使いやすさでいくとおススメは筒形の物でしょうか。
国内メーカー製の筒型ラインブースターを探してみました。
↓こちらです↓
筒形であればアンテナにそのまま取り付けることができますので、一番手軽だと思います。
10cmにも満たない小さな機械ですが、これでも20dBレベルが上がる立派なブースターです。
受信環境が悪くてアンテナでの受信を諦める前に、一度ラインブースターを使用してみたらいかがでしょうか。
受信がギリギリの場合は、ラインブースターでなんとかなるかも。
もちろん、電源部さえあれば単体としても使用はできます。
使い方次第でなかなか役に立つ機器ですよね。