UHFアンテナは高く上げれば良いわけではない?“ハイトパターン”とは?

シェアする

この記事は、実際にアンテナを設置される方へのお話しになります。

アンテナ工事をされているほとんどの方は、アンテナを設置する際、出来るだけ高い位置に取り付けようとしますよね。

電波の到来方向にある障害物を避けるという意味では当たり前のことなんですが、もし電波を遮るものがないとしたらどうですか?

それでもやっぱり高い方が受信感度が良いと思うでしょうか?

アナログ放送の時代や、FMラジオの受信などで使用されてきたVHFのアンテナの場合は、一般的に高い位置ほど受信が良いとされてきました。

でも、実はUHFのアンテナは高ければ受信がいいとは限らないんです。

今回は、その理由と正しい設置方法について説明していきます。

電波のハイトパターンとは

地上デジタル放送の電波は、波を打つ形で飛んできます。

その波をジャストのタイミングでキャッチするのと、そうでないのとでは、受信に差が出てしまうんです。

         ハイトパターン図

これをハイトパターンといいます。

上の図を見ると、高さが4m程度の位置が最も受信レベルの高いジャストのタイミングで、約90dBの受信が可能となります。

それに比べて、3mも高い7mの位置では75dB程度と、かなり受信レベルが低くなっているのがわかります。

ちょっと極端な例ではありますが、概ねこのような現象が発生していると思ってください。

ですから、障害物さえなければ本当は屋根の上に設置する必要なんてないことになります。

実際には、電波の到来方向には様々な建物や山などがあって相対的に高く上げた方が受信が良くなるため、屋根の上などの高い位置に設置することが基本となっているんですね。

高さありきで設置場所を決めるんではなく、電波の到来方向の見通しが比較的良い位置に設置して、その後高さを調節するのが最善ということです。

映りが悪い場合は高さ調節を

上述の内容を知っていれば、アンテナ設置の幅が広がります。

まずは障害物を避けることが前提ですので、目の前にある建物を超えるくらいの高さの位置を探しましょう。

あまりアンテナマストを高くすると風の影響などを受けやすくなってしまうので、強度的に弱くなってしまいます。

選定した位置で出来るだけ低めに取り付けることが大切です。

電波の到来方向にアンテナを向けてみて受信が良好ならばそこで決定ですね。

若干でも不安定な受信が見られるようならば、その場所で高さだけ変えてレベルの変動をチェックしてみてください。

もしかしたら、50cmや1m程度上にずらすだけで、少し受信レベルが改善されるかもしれません。

最近では一般家庭でもブースターを設置するのが当たり前になってきましたので、アンテナでの受信が低くてもブースターで上げてやればいいと思いがちですが、ブースターを使用しても電波の質は良くなりません

レベルが高くても質が悪ければ受信不良を起こしやすくなります。

より安定したレベルで受信をする上でも、高さの調整は出来るだけしておいたほうがいいですよ。

レベルチェッカーが欲しい

もともと電波が強い地域(強電界地域)であれば、特にシビアに考えなくても問題ないかもしれません。

逆に、地域的に受信レベルが低い場所(弱電界地域)は、多少の上下の調整が受信に大きく関わってきます

事前に電波の調査を行う際にも、ハイトパターンを知っていると、より詳細な受信判断が行えるでしょう。

ただし、受信の判断を行うにしても、レベルチェッカーなどの測定器を持っていないと意味がありません。

もし持っていない場合は、1台持っているとアンテナ設置が非常に楽に行えますので、購入を考えたらいかがでしょうか。

今なら4K8K衛星放送に対応したレベルチェッカーが良いでしょう。

ハンディタイプで一番売れているのがこれじゃないでしょうか。

↓こちらです↓

ボックス型の高価な測定器もありますが、アンテナ設置時はむしろハンディタイプが便利です。

価格も圧倒的に安いので、アンテナの専門業者じゃなければこのタイプをおススメしますね。

上下に多少ずらしながらレベルをチェックしてみて、ジャストの位置を見つけてみてください。

スポンサーリンク
スポンサーリンク