テレビの電波の形は偏波という言い方で表わされます。
皆さんが想像する電波の形状は「波型」ですよね。
地上デジタル放送で送信されるテレビの電波はその通り「波型」で、縦向きの波と横向きの波に分かれます。
それが水平偏波と垂直偏波です。
同じ周波数の電波がぶつかり合うと、混信してしまってそれぞれに悪影響を及ぼしてしまいますが、偏波が違うと混信を最小限に抑えることができます。
ですから、わざわざ2種類の偏波で流してるんですね。
BSデジタル放送を例にとってみると、飛んでくる電波は円を描く円偏波というもので、従来の右回りの円偏波と新しい新4K8K衛星放送の左回りの円偏波で構成されています。
同じ円偏波でも、左右の回転を変えることで混信を防いでいるんですね。
BSデジタル放送で使用されている右旋円偏波と左旋円偏波の違いについては、別途記事をご覧ください。
↓こちらです↓
今回は、地上デジタル放送で使用されている水平偏波と垂直偏波について説明していきます。
波を描く電波
一般的に電波というと波の形のイメージがあるかと思いますが、地上デジタル放送で使用しているテレビ電波は、その波を描いて飛んできます。
その波の形が、地上と水平になって飛んでくるのが水平偏波。
地上と垂直になって飛んでくるのが垂直偏波です。
ほとんどの電波塔は水平偏波を使用しており、一部の地域で電波の混信を避けるため致し方なく垂直偏波を使用しているような印象です。
通常のUHF用テレビアンテナは水平偏波用に作られているため、普通に取り付けると垂直偏波を受信することができません。
同じ周波数で飛んできても、偏波の種類が違うと90度角度を変えて設置しないと受信できないんですね。
垂直偏波専用の平面アンテナがある
素子アンテナを90度傾けて取り付けなくてはならないように、その他のUHFアンテナも同様に90度傾けなくてはなりません。
地上デジタル放送用として普及が目覚ましい平面アンテナも、垂直偏波の電波を受ける場合は90度回転させて横にして取り付けなくてはなりません。
折角の見た目が台無しになるところですが、ちゃんと垂直偏波用の平面アンテナというものが発売されていました。
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これを使用すれば、今までのように縦長の形状のまま設置するだけで問題なく受信が可能です。
逆に水平偏波の電波を受信する時は横にしないとダメですけどね。
中継局の確認を
垂直偏波で送信されるテレビの中継局は、全体からすれば10%にも満たないと思いますが、各県にだいたい数か所程度は存在します。
アンテナの工事をされる業者の方などは、素子アンテナが縦にくっついている家をご覧になったことがあるんじゃないでしょうか。
そんな地域は要注意です。
垂直偏波で電波を送信している全国の中継局一覧を別途記事で投稿してますので、気になる場合はチェックしてみてください。
↓こちらです↓
素子アンテナでも縦の設置はあまり外観的にいいとは思えませんが、平面アンテナを横向きに設置するのはちょっとみっともない感じがしますよね。
垂直偏波受信の地域でアンテナ設置をする際は、垂直偏波専用の平面アンテナを使ってみてはいかがでしょうか。