「VHF」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
どちらかというと「UHF」の方が聞き慣れているでしょうね。
どちらもテレビの電波で使用されていたんですが、地上波のデジタル化に伴って、使われる電波はUHFだけになってしまいました。
ですから、UHFアンテナだけで地上デジタル放送を受信ができるようになったんですが、未だにVHF用アンテナが屋根に付いている家屋を良く見ますね。
今回はそのVHFについて、簡単に説明していきます。
アナログテレビで使用
VHFは(Very High Frequency)の略で、日本語では超短波と言います。
30MHzから300MHzまでの周波数の電波のことで、アマチュア無線やFMのラジオ放送などで現在も使われています。
2012年完全デジタル化になる前のアナログ放送時代には、テレビ放送もこの帯域で流されていました。
というより、むしろメインがこのVHFでしたね。
テレビチャンネルで言う1chから12chがVHFのチャンネルで、UHFは13chから62ch。
テレビのリモコンにいまだに残っている①~⑫のボタンは、このVHFのチャンネルから取られたものです。
今は役目をスカイツリーに移行しましたが、アナログ時代は東京タワーからテレビの電波が飛んでいました。
NHK総合は1ch、フジテレビは8ch、テレビ東京は12chという具合ですね。
ですから東京地区では、ほとんどVHFの電波で観ていたということになります。
言い方は悪いですが、田舎に行けば行くほどUHFが良く使われていて、都会のテレビはVHFでの送信が主として使われていたんですね。
現在でもテレビ放送で使用されているUHFの電波と共に、テレビ放送の周波数としての役割が非常に強かったんです。
アンテナは残っている
テレビのレベルを上げる役割のブースターや線を分ける分配器など、テレビの設備には色々な機器が使用されていますが、古い機器にはいまだにVHFの文字が記載されているものも少なくありません。
アナログ放送からデジタル放送に切り替わる際に、全国でアンテナ関連の改修工事が数多く実施されましたが、地域によってはそのままの設備でも問題なくデジタル放送が受信できてしまいました。
そういったアンテナ設備を一切改修しなかったお宅は、このVHF放送に対応した機器をまだ使用されているんじゃないでしょうか。
特にアンテナは、使わなくなっただけで急いで取り外す必要もなかったため、そのまま屋根の上に付いているお宅も多いですね。
だいぶ古くなってるでしょうし、風の影響も受けやすくなってしまうため、機会があれば取っちゃった方がいいでしょう。
別途記事を書いてますので、まだVHFアンテナが屋根に乗っているって方は、一度ご覧いただくといいでしょう。
↓こちらです↓
まとめ
VHFやUHFという言葉は、アンテナやテレビ関連の仕事をされている方にとっては基本中の基本のような言葉なんですが、一般の方々には馴染みがあまりないですよね。
アンテナ機器にはこのような言葉が平気で載っているので、なかなか理解がしにくいように感じます。
ちなみにこのVHFの電波は、普及が著しいスマホなどの通信電波として利用がされています。
アナログのテレビで使用していた周波数の部分を、一番よく使うところに割り当てたという感じですね。
電波などで使用される周波数というものは限られた資源のようなもので、国単位で使用してもいい周波数帯域が割り振られています。
特に衛星などを使った電波は宇宙から飛んでくるので混信がしやすいため、厳密に定められているんですね。
日本国内で使える周波数帯域も決まっています。
使わずに残しておくのは勿体ないということですね。