1953年にテレビ放送が開始されてから、BSデジタル放送やCSデジタル放送といった衛星放送が追加されるなど、チャンネルがどんどん増えていきました。
チャンネル増加に伴う周波数帯域の広がりに対応するべく、アンテナ機器もその都度グレードアップをしてきています。
そして、2019年12月からスタートした新4K8K衛星放送を機に、もう一段アンテナ機器がマイナーチェンジされてきました。
アンテナはもちろんのこと、分配器やブースターなど様々な機器が、新4K8K衛星放送の周波数に対応するよう刷新されたんですね。
逆を言うと、その周波数帯域に対応した機器を使わないと新4K8K衛星放送を見ることができないということですね。
今回は、テレビ放送の変遷に対して、アンテナ機器がどのように対応してきたかを説明していきます。
チャンネルが増えるごとに周波数帯域が広がる
テレビ放送の移り変わりと、それに伴うアンテナ機器の周波数帯域の広がりを簡単に表にしてみました。
図① アンテナ機器の移り変わり
地上波がアナログ放送だった頃は、テレビ放送の使用する周波数は最高でも770MHzまででしたが、BS放送がスタートして、一気に1335MHzにまで広がりました。
アンテナ機器もBS放送に対応するべく、アンテナだけじゃなくブースターや分配器、テレビコンセントなども1335MHzに対応した機器にグレードアップしています。
その後、BS放送がデジタル放送になることで更にチャンネルが増加し、アンテナ機器は2150MHzにまで対応枠を広げました。
この頃、CS放送もスタートしてきており、全てのチャンネルに対応するべく対応周波数を大きく広げたのです。
2002年には110度CSデジタル放送が開始されますが、周波数帯域は2150MHzまでに収まっており、新4K8K衛星放送を除いた現在放送しているテレビ放送は、この2150MHzまで対応していれば全てのチャンネルが視聴できます。
2006年頃を境にアンテナ機器が2602MHzまで対応周波数を伸ばした訳は、将来的に更にチャンネルが増えるという見込みがあったためです。
それが現実的になったのが今回の4K8K衛星放送ですが、超高精細な映像になることでデータ容量が大幅に増え、結果予想していた周波数よりも更に帯域が広がってしまったという訳です。
対応機器を使用しなければ受信ができない
アンテナ機器は、対応する周波数帯域は必要な電波と認識しますが、それ以外の電波は雑音だと考えてカットするように作られています。
もともとテレビ電波はノイズの影響などを受けやすいため、できるだけ邪魔な電波をなくすように設計されているんですね。
ですから、対応していない機器を使用している場合、その機器で電波がカットされてしまいます。
家の設備が~770MHz対応であれば、地上デジタル放送は映るもののBSやCSといった衛星放送は受信が難しいはずです。
~1335MHz対応機器で構築されている場合、BSデジタル放送以降の追加チャンネルは受信ができないはずです。
~2150MHzの設備であれば、ほとんどの番組は受信できるようになっていますが、新4K8K衛星放送の一部は受信ができないでしょう。
このような現象が、4K8K衛星放送の開始に伴い日本中で発生しているんですね。
~3224MHzのものを使いましょう
上記の図①を見てお分かりのように、新4K8K衛星放送に対応するには~3224MHzのアンテナ機器が必要となります。
言い方を変えれば~3224MHzに対応した機器さえ使っておけば、今のテレビ放送の全てのチャンネルに対応できるということです。
これから新築でテレビ設備を工事する方やリニューアルなどの予定がある方は、3224MHz対応の機器を使用するよう心がけていきましょう。
メーカーによって多少時期のずれがあることや、機器によっても切り替えの時期に幅があるため、ブースターや分配器が3224MHz対応でも、テレビコンセントや分波器(BSセパレーター)が対応しているとは限りません。
ほとんどの機器に対応周波数の記載があると思いますので、気になる方はチェックしてみてください。