ワイドFM(FM補完)って知ってますでしょうか?
簡単に言うとAMラジオのチャンネルをFMラジオに変換して放送することです。
でも、どうしてそのようなことをするんでしょうか。
変換された放送は、これまでのラジオで受信できるんでしょうか。
今回は、ワイドFMに関するそれらの疑問を説明していきたいと思います。
FMに変換するメリット
わざわざAMラジオをFMラジオに変換する訳ですから、それなりにメリットがあります。
そのメリットは大きく分けて3つ。
FMの方が聞きやすい
FM音源という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
今ではデジタル化が進みあまり聞かなくなりましたが、以前はこのFM音源というのが高音質の代表のような言われ方をしていました。
AMよりも、このFMの方がもとより音質が良いんですね。
ラジオを聴き比べても、違いが結構わかります。
これまでのAMラジオが、FMの高音質で聴けるようになるのは嬉しいことですね。
障害物の影響を受けづらい
AMの電波は地を這うように飛んでいきますが、FMの電波は空中を飛んでいきます。
当然、建物の影響を受けづらくなり、電波の劣化も少なく済みます。
AMラジオはちょっとノイズが多い印象ですよね。
また、AMラジオの電波塔は平地に建てられていることが多いんですが、FMラジオの電波塔は山の上など、かなり高い位置に建てられています。
その分余計に建物の影響を受けづらいんですね。
災害に強い
平地建っているAMラジオの電波塔は、地震や洪水などの震災に弱い面がありました。
建物が倒壊するなどして街に瓦礫が多くなると、地を這うAM電波はより一層障害物の影響を受けて電波が劣化します。
山の上に電波塔を持ち空中を飛んでいくFMラジオは、災害にも強いんですね。
今のラジオで受信できるの?
AMからFMに変わるんですから、当然FMラジオが必要になります。
ただ、FMラジオであれば何でもいいと言う訳ではないんです。
これまでのFMラジオ放送は、76MHzから90MHzまでの周波数帯域を利用していましたが、このワイドFMは90.1MHzから95MHzまで。
周波数帯域が違うため、ワイドFM対応のラジオが必要になるんです。
コンポやカーナビなど、新しいものは続々とワイドFM対応のラジオに変わってきています。
いざという時のために用意している簡易ラジオなども、できればワイドFM対応に買い替えておいた方がいいでしょう。
まとめ
ワイドFMになったからと言って、AMラジオ放送がなくなるわけではないそうですが、既に一部でAM放送廃止の動きも出てきています。
最終的にはFMラジオに集約されるのかもしれません。
更に、音声のラジオだけでなく映像のテレビも含めて、放送全般がインターネットを利用した通信によって受信できるようになってきました。
それはそれで便利になっていいんですが、災害時などは通信の混雑などにより不通になるケースがままあります。
その点放送は停電などによっても途切れることはないため、いざという時はラジオやテレビのワンセグなどが大いに活躍するんです。
このワイドFMも災害時により役立たせるための施策ですので、もう少し告知をしっかりと行なって、対応受信機の普及を進めたいところですね。
お住いの地域のラジオ番組がどの周波数に変換されたかは、こちらの地図でチェックしてみてください。
出典:総務省ホームページ → こちら