皆さんはテレビのチャンネルを切り替える時に、どのように変えていますか?
EPG(電子番組表)を表示して指定する方法もありますが、やっぱりリモコンの1~12のチャンネルで変えている方が多いんじゃないでしょうか。
例えば東京なら、NHK総合は1チャンネル、テレビ朝日は5チャンネル、フジテレビは8チャンネルみたいに覚えていませんか?
でも、そのチャンネルの番号はあくまでリモコンに振り分けられたチャンネル番号。
実は、テレビのチャンネルにはリモコンのチャンネルと、もう一つ物理チャンネルというものがあるんです。
今回は、リモコンチャンネルと物理チャンネルの番号の違いについて説明したいと思います。
本当のチャンネルは物理チャンネル
「本当の」というと若干語弊があるかもしれませんが、アンテナ関連の業界ではリモコンのチャンネル番号は殆ど利用されません。
リモコンのチャンネルには1~12までの番号しかボタンがありませんが、地上デジタル放送で使用されているUHFという電波は、物理チャンネルで13ch~52chまでを指しています。
そうです、地デジの放送だけで40chも使われているんです。
全国で送信されているテレビ電波は、この13ch~52chに振り分けられており、そのチャンネルを使って電波の測定やチューニングを行っています。
例えば東京のテレビ放送は以下のように振り分けられています。
NHK総合はリモコンチャンネルでは1chですが、物理チャンネルでは27ch。
テレビ朝日はリモコンチャンネルでは5chで、物理チャンネルでは24chです。
振分られている本来のチャンネルはこの物理チャンネルなんですが、リモコンのチャンネルはそこまで数字を多くすると操作がしにくいので、あえて1ch〜12chに設定し直されているんですね。
もともとはVHF
上述したように、地デジで使用しているUHFのチャンネルは13chからですよね。
では、1ch~12chはどこにいったのか。
実は、物理チャンネルで設定されている1ch〜12chは、地上デジタル放送で使われているUHFの電波ではなく、VHFと呼ばれる電波に属します。
VHFはアナログ放送時代に使用されていた電波で、デジタル化に伴いテレビでは利用されなくなりました。
ちなみに東京のアナログ放送時代のチャンネルはこちら。
この頃はリモコンに自動的にチャンネルが振り分けられることはなく、テレビの設定時に手動でリモコンチャンネル番号を入力していました。
物理チャンネル番号をそのままテレビのリモコンチャンネル番号にするケースが多くわかり易かったんですが、デジタル化によりチャンネルがUHF帯域に移動したので、物理チャンネルが大きく変わってしまったんですね。
東京MXは9chあたりに任意に設定して見てた方が多いんじゃないでしょうか。
レベルチェックは全て物理チャンネル
アンテナ工事を行っている電気店の方などは、テレビのレベルをチェックする測定器を持っている場合があります。
レベルチェッカーや電界強度測定器なんて言い方をしますね。
このような測定器でテレビ電波の強さや質の良さを測る場合、チェックするチャンネルは全て物理チャンネルです。
東京のNHK総合を図る場合、1chではなく27chで測らなければ数値は確認できません。
物理チャンネルは、全国各地に数多ある中継局が送信するチャンネル毎に割り当てられているので、測りたいチャンネルの物理チャンネル番号を知らないとダメですね。
総務省が公表している、地上デジタル放送関連情報というサイトがありますので、こちらのデータ集にあるチャンネル表をチェックしてみると良いでしょう。
↓こちらです↓
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/dtv/datashu.html
各都道府県の中継局名と、物理チャンネル番号が確認できますよ。
テレビ局の名前が載っていないので、わかりづらい場合は各アンテナメーカーが公表しているチャンネル表などを見てみるといいでしょう。
まとめ
リモコンのチャンネル番号は、あくまで物理チャンネルに関係なく割り当てているだけなので、デジタル放送でも任意に変更することも可能なはずです。
BSデジタル放送や110°CSデジタル放送のチャンネルも、設定でリモコンチャンネル番号を割り当てることができると思うので、良く見るチャンネルはすぐ切り替えられるよう設定してみると良いでしょう。
一般的なテレビは自動サーチという機能があって、今の設備で受信できる電波を自動的にチューニングしてくれるものが多いと思います。
受信が不安定な場合は受信不可としてチューニングをしないケースもあるため、どうしても受信をしたい場合には手動で強制的に受信するよう設定をする必要が出てきます。
その際の設定は物理チャンネル番号が必要になると思いますので、上記チャンネル表を確認してみましょう。