Wi-FiやBluetoothにノイズが発生? 4K8K衛星放送が引き起こす電波障害とは

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2018年12月にいよいよ本放送をスタートさせる4K8K衛星放送

新築を中心に、開局と同時に放送が受信出来るように、テレビ設備の4K8K対応化が進められています。

新たな放送が始まることは嬉しい話なんですが、実はこの4K8K衛星放送が通信電波に悪影響を与える可能性が懸念されているんです。

今回は、その電波障害について説明していきたいと思います。

Wi-FiとBluetoothに

電波障害の対象となるのは、皆さんが良く使われているであろうWi-FiBluetoothです。

ご自宅でWi-Fiを使ってインターネットをしている方は多いでしょうし、スピーカーやマウス、キーボードやイヤフォンなど、Bluetoothもかなり普及してきています。

4K8K衛星放送のスタートに伴って、これらの通信機器に電波障害を与えてしまう可能性があるんです。

Wi-FiとBluetoothの違いって何? → こちらの記事をチェック

Wi-FiとBluetoothは2.4GHz(2400MHz)という周波数の電波を利用しています。

これまでのテレビ放送は一番高い周波数でも2072MHzでしたので、Wi-FiやBluetoothとは帯域がずれていましたが、4K8K衛星放送では3224MHzにまで周波数が伸びてしまいました。

両者の利用している周波数帯域が被ってしまうことで、電波が混信しやすくなってしまったんです。

それでもWi-FiやBluetoothは無線なので空中を電波が飛んでいますが、テレビ放送は有線ですので、アンテナケーブルや機器類の中を通って電波を運んでいます。

それらの機器から電波が漏れない限りは混信することはないのですが・・・。

4K8K非対応品から漏洩

現在発売されている新型の4K8K対応アンテナ機器は、JEITA(一般社団法人電子情報技術産業協会)という団体の厳しいチェックを通り抜けた機器です。

電波の漏洩基準に関してもかなり厳しい審査が入っており、それをパスした機器に「SHマーク」を表示する権利が与えられます。

SHマークに関する詳しい記事 → こちら

出典:一般社団法人放送サービス高度化推進協会(A-PAB)

したがって、上記のようなSHマークが付いている機器を使用すれば、電波が漏れ出てWi-Fiなどに悪影響を及ぼす心配はないということです。

逆に、SHマークのない機器に4K8K衛星放送の電波が流れた場合、それらの機器のスキマや接続部分などから電波が漏洩し、空中を飛ぶ無線電波に混信してしまう可能性があります。

屋内にある分配器やテレビコンセント、テレビに繋ぐ分波器やケーブルの類まで、4K8K対応の商品を使用していない場合は十分に注意が必要です。

そもそも4K8K衛星放送を受信しなければOK

上記電波障害は全ての家屋に発生するわけではなく、そもそも4K8K衛星放送を見ない家屋には基本的に関係ありません。

4K8K衛星放送の電波が流れないんですから、漏れようがないですよね。

一番問題なのは、4K8K衛星放送を受信しているのに、設備が対応していない場合です。

例えば、BSアンテナが故障してしまって新型の4K8K対応BSアンテナに取り換えたにも関わらず、その他のアンテナ機器は旧式のまま使用するようなケースです。

今はまだ4K8K非対応のBSアンテナが売っていますが、今後は全て対応品に統一されていく可能性が高いでしょう。

したがって、将来的にBSアンテナを交換する場合は、否応なしに4K8K対応のBSアンテナになってしまう恐れがあるのです。

対応のBSアンテナを取り付けると当然4K8K衛星放送を受信しますので、屋内に電波が流れ込みます。

そこから繋がるアンテナ機器が漏洩基準をクリアーしていないと、電波が漏れ出てしまうんです。

新型の4K8K衛星放送対応BSアンテナを設置した場合は、それ以外のアンテナ機器も対応品に交換する。

これが基本です。

まとめ

上記以外にも、電子レンジの電磁波が同じく2.4GHzを使用しており、4K8K衛星放送の映像側に悪影響を及ぼすことも心配されております。

新しい放送を増やすというのは簡単なことではないんですね。

インターネットで視聴している動画が途切れてしまったり、Bluetoothを使ったスピーカーからの音声にノイズが入ってしまったり。

そんな症状が出た場合は、アンテナ機器をSHマーク付きの物に交換してみましょう。

Wi-Fiは2.4GHzの他に5GHzを使用する方法もありますので、こちらが使用できる場合は切り替えてみると改善する可能性が高いですね。

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