アンテナの設置工事を行う場合、まずは何処にどのように設置するかを考えますよね。
平面アンテナなどはそのまま家の壁に取り付けますし、専用の金具がセットでついてきます。
でも、素子アンテナの場合は屋根の上に取り付けるか壁に設置するかの2択で悩むんじゃないでしょうか。
今回は、建物の壁に金具を取り付けて設置する側面取付工事の際のお話。
皆さん一体どのような金具を使用しているんでしょうか。
軒の長さによって種類を変えないといけませんし、材質も考慮したいですよね。
今回はそんな壁面取り付け時の金具(サイドベース)の種類について書いていきます。
マスト25Φまで
側面金具の中でも、最も廉価な部類の金具がこちら。
差し込むアンテナマストは25Φまでで、金具自体のサイズも小さめ。
写真の金具は、一応亜鉛メッキ加工は施されているものの金具の強度が弱めですので、あまり強い力を受けないようにしたいところ。
UHFアンテナとBSアンテナを同時に設置するにはちょっと厳しいでしょうか。
少なくとも中間と底として2台縦に設置し、その中にマストを挿して使用したいところ。
できるだけアンテナマストも短めにしたいですね。
マスト32ΦまでOK
一般的に一番良く使われていると思われるグレードの金具がこちら。
アンテナマストは32Φまで差し込めます。
25Φまでの金具と比べると作りが頑丈で、UHFアンテナだけじゃなくBSアンテナも同時に設置しても、金具の強度としては特に心配はないでしょう。
サイドベースとしては、最も流通しているタイプの金具と言っていいでしょうね。
コストも強度もちょうどいい感じですかね。
ただし、壁からマストまでの寸法は約300mm程度なので、軒の出が大きい家などでは使用が厳しい金具となります。
伸縮型の金具
最近の家は、デザイン性を重視することで軒の出っ張りが大きい家が多くなっています。
そんな軒が長い家に使用する金具がこちら。
MAX510mmまで伸縮可能な突き出し金具です。
かなり作りは頑丈ですが、重量が2.6kgと通常の金具の倍程度あるため、取り付ける壁の方がしっかりしていないと危険です。
下地を入れるなどの補強を施して、全体的にビスが利くような設置を心がけましょう。
これ以上の突き出しは強度的に不安なので、500mmくらいが限界でしょうか。
それ以上となると、既製品として作られている金具はごく限られます。
軒の出が500mmよりも長い場合は、アンテナマストを曲げるなどの加工で対応する方が壁の強度を考えると得策ではないでしょうか。
ステンレス製金具
海の近くなど、塩害地域で良く使用される錆に強いステンレス製の金具がこちら。
他の金具の基本材質である溶融亜鉛メッキと比べても、防錆性能としては圧倒的に高い金具と言えます。
突き出しは約200mmでアンテナマストは32Φまで大丈夫。
金額が若干高くつきますが、風雨にさらされるアンテナ部分は海の近くでは錆びる速度が一気に上がります。
アンテナはいざとなれば取り換えちゃえばいいですが、金具部分が錆びると雨に流されて壁を汚してしまったりします。
交換もアンテナほど簡単にはいきませんし、最初からできるだけ錆びに強いものを使用した方がいいでしょう。
マストもステンレス製で揃えれば、耐久性はかなり高まりますね。
まとめ
サイドベースだけとってみても様々な種類があります。
価格や材質、取り付けるアンテナマストサイズなど、色々な条件をもとにベストな商品を探しましょう。
サイドベースは上下で一つずつ、計2個を使用して設置するのが基本です。
1つだけで施工する場合は強度がかなり落ちますので、十分に注意して施工してください。