UHFアンテナを建てて地上デジタル放送を受信する場合はUHFブースター。
ケーブルテレビに加入して地上デジタル放送を受信する場合はCATVブースター。
受信方法によって、それぞれ専用のブースターを使用するのが基本なんですが、アンテナ受信でもケーブルテレビ受信でも地上デジタル放送であることに変わりはありません。
いちいち区別する必要性ってあるんですかね?
同じ地上デジタル放送でもブースターは共用できないんでしょうか?
実は、やり方次第でブースターを共有することは可能です。
ただし、間違った使い方をすると、思わぬトラブルが起こるかも。
今回はこれら2つのブースターの違いと、間違って使用すると発生しかねない問題について説明していきたいと思います。
ケーブルテレビ専門チャンネルの問題
アンテナで視聴する際の地上デジタル放送のチャンネルは13ch~52chとなっており、その使用周波数は470MHz~710MHzまで。
ケーブルテレビで視聴する場合でも、アンテナで受信した場合と同じチャンネルで流すパススルーという伝送方式が主流ですので、470MHz~710MHzという同じ周波数を使用しています。
ブースターは特定の周波数帯域のレベルを大きくしてあげる機械なので、地上デジタル放送のみを考えるのであればブースターは共用できるはずですよね。
しかしながら、ケーブルテレビ局は、そのほとんどが局独自の専門チャンネルを持っています。
その地域で受信できる地上デジタル放送だけではなく、近県の放送やケーブルテレビ局が独自で制作した地元密着番組。
BSデジタル放送やスカパー!の有料チャンネルなど、様々な番組を混ぜ合わせて電波を送っています。
その使用チャンネルは通称Cチャンネルと呼ばれるもので、C13ch~C22chまでのミッドバンドという帯域と、C23ch~C63chまでのスーパーハイバンドと呼ばれる帯域です。
周波数帯域はミッドバンドで108MHz~170MHz。
スーパーハイバンドで222MHz~468MHzですので、地上デジタル放送で使用している周波数とは異なります。
ただのUHFブースターでは増幅することができないんですね。
すなわちCATVブースターは、地上デジタル放送に加え、Cチャンネルも一緒に増幅できるブースターということです。
ケーブルテレビインターネットの問題
もう一つ問題となるのがケーブルテレビインターネットです。
比較的規模の大きいケーブルテレビ局は、テレビ放送だけではなく、インターネットのプロバイダーとしてのサービスも提供しています。
テレビ放送を伝送している同軸ケーブルを使ってインターネットをする方法で、テレビ視聴では使用しない10MHz〜60MHzという低い周波数帯域を使ってデータの通信を行っています。
したがって、ケーブルテレビインターネットを利用する際は、通信で使用する10MHz〜60MHzの帯域が通過するブースターを使用する必要があるんてす。
テレビを見るということだけを考えると、それ以外の周波数帯域は雑音でしかない為、UHFブースターはそれらの低い周波数帯域をカットするように作られています。
簡単に言えば、UHFブースターを使用するとケーブルテレビインターネットは使用できないということですね。
マルチブースター
上述したように、地上デジタル放送のみを考えると共用は不可能ではないですが、ケーブルテレビ専用チャンネル(Cチャンネル)の視聴や、ケーブルテレビインターネットのことを考えると、やはりそれぞれのブースターを使用するべきです。
でも、アンテナ受信をするかケーブルテレビに加入するかがわからない場合や、将来的に切り替える可能性があるなど、どちらにも対応したい場合もありますよね。
そんな時にオススメしたいのが、マルチブースターというものです。
一般家庭や2階建て程度の集合住宅などでよく使用されている、コストパフォーマンスに優れたものを選んでみました。
↓こちらです↓
アンテナ受信かケーブルテレビ受信かをスイッチ1つで切り替えることができるようになっており、将来的に視聴方法を変更するときにもブースターの交換は必要ありません。
それぞれの専用ブースターと比べてもさほど大きな金額差はないので、どっちも可能性がある場合はこのブースターを使ってみてはいかがでしょうか。
まとめ
結論としては、地上デジタル放送だけのことを考えればブースターの共有は可能。
受信不良のメンテナンスなどで一時的に受信改善を図りたい場合などは、CATVブースターの代わりにUHFブースターを使用するのも致し方ないでしょう。
しかしながら、永続的に使用するのであれば、やはり共用はオススメできません。
例え今は地上デジタル放送のみの視聴だったとしても、もしかしたら将来的に専用チャンネルやインターネットの契約をする可能性はありますよね。
個人で責任をもって行うのであればかまいませんが、工事業者の方は特に注意してください。
いざケーブルテレビの専用チャンネルを契約したのに映らないなんてことになれば、クレームはケーブルテレビ局に行くでしょう。
後々のことを考えると、安易な使用は避けたほうがいいと思います。
コメント
ブースターは定格を守らないと破損したりノイズを出力に撒き散らしたりするのです。
たから取説を熟読して入力と出力を測定器で計測してブースターを稼動させましょう。
ブースターは年中無休で働かせる物だから気温の変動を見越した余裕を与えましょう。
CATVブースターをUHF用に流用すると業務通信の外来入力によりノイズが発生。
UHFブースターをCATV用に流用するとCATVのチャンネルが削除されます。
デジタル時代に成ってブースターに強く求められる物は「 C/N比 」なのです。
無闇に信号を増強する事はC/N比を悪化させる事に成るので注意しましょう。
棟内ブースターの別名は「 分配保障増幅器 」とも呼ばれます。
分配器の損失を補う必要十分の増幅を行い綺麗な電波を受像機に届けましょう。