アンテナには、指向性アンテナというものと無指向性アンテナというものがあります。
簡単に言うと、指向性は電波が飛んでくる方向にアンテナを向ける必要があるもので、無指向性は360°どこから飛んでくる電波でも受信ができるものです。
これだけの説明だと、どっちに向いてても受信ができる無指向性アンテナの方が優れているように感じますよね。
でも、実際にはそう簡単でもないんですよね。
特に音だけじゃなくて映像も受信するテレビアンテナにおいては指向性アンテナが大半を占めています。
一体なぜなんでしょう?
今回は、指向性と無指向性アンテナの違いについて説明していこうと思います。
指向性アンテナ
テレビを受信するためのアンテナは、ほとんどの物がこの指向性アンテナとなります。
地上デジタル放送を受信する、素子アンテナや平面アンテナなどのUHFアンテナ。
BSデジタル放送やCSデジタル放送といった衛星放送を受信するためのパラボラアンテナも、この指向性アンテナです。
指向性アンテナの特徴は、電波の到来方向にアンテナを向けなくてはならないこと。
逆を言うと、別の方向から飛んでくる不特定多数の電波は受け付けないように設計されています。
スマホなどに使用する通信電波やアマチュア無線、タクシー無線や航空レーダーなど、世の中には様々な電波が飛んでおり、それらの電波はテレビ受信にとってはただの雑音です。
テレビの電波も、電波塔から送信される純粋なテレビ電波以外に、山や高い建物などに跳ね返ってくる反射の電波や、別の電波塔から飛んでくるテレビ電波など、受信したい電波以外の物がたくさん飛んでいるんですね。
それらの雑音に当たる電波をカットして、必要な電波のみを受信するように考えられているため、電波の受信性能は高いといっていいでしょう。
無指向性アンテナ
無指向性アンテナの代表的なものは、ラジオやワンセグ放送のポータブルテレビで良く使われているロッドアンテナが一番わかり易いですかね?
受信したい時はアンテナを伸ばして、四方八方から飛んでくる電波を一手に受信します。
様々な電波を受信してしまうため、若干角度を変えながら雑音が最も少ない場所で止めるように設置しますね。
ロッドアンテナ以外にも無指向性アンテナは存在し、地上デジタル放送を受信するUHFアンテナにも幾つか商品化されているものがあります。
地デジ用の無指向性アンテナを探してみました。
↓こちらです↓
方向調整をしなくても良い分設置は間違いなく簡単でしょうから、DIYでアンテナを取り付けたいと思っている方にはいいでしょうね。
ただ、肝心の性能の方はどうでしょう?
受信の仕組みが違うので、指向性アンテナと無指向性アンテナの性能を比較することは難しいのですが、余分な雑音電波も受け取ってしまうため、一般的に考えれば限定した電波を受信するにはあまり適さないように思います。
雑音があってもそれをカバーする程の強さがある、テレビ電波の強い地域(強電界地域)であれば、どちらのアンテナでも問題なく受信が可能でしょう。
受信性能は指向性アンテナの勝ち
受信性能だけを見れば、やはり指向性アンテナが勝っていると考えて良いでしょう。
いらない電波をカットする分、電波の質はこちらの方が上です。
ただし、設置調整が楽な点は大きなメリットですし、無指向性アンテナでも十分に受信ができる強電界地域であれば、性能を気にせず見た目で判断しても良いかも。
工事業者の手を借りずに素人が設置することも考えて作られている無指向性アンテナは、スタイリッシュにできているものが多いですね。
逆に、テレビ電波が弱い地域(弱電界地域)や、簡単には映像が悪くならない安定した受信を望む場合は指向性アンテナをお薦めします。
お住まいの受信状況によって、より適したアンテナをお選びください。
ご自分のお住いの地域が強電界地域なのか弱電界地域なのかを知りたい方は、こちらの記事を目安にしてみてくださいね。
↓こちらです↓